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野良師のつぶやき
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「野良師のつぶやき」

白き肌

酒蔵仕事が秒読みに入った。
12日に「甑倒し(こしきだおし)」だ。
あと一週間。

※「甑」というのは酒米を蒸す器械。「甑倒し」というのは蒸し仕事が終わること。

11月半ばから三ヶ月間、酒と戯れてきた。
考えてみれば、この三ヶ月もの間、ほとんど太陽の下に出なかった。
朝暗いウチから夕方暗くなるまでずっと蔵の中でした。

光合成が不足気味です。


よくよく自分の手を見ると、なんと!色が白い。
ここ数年ほとんど毎日外に出てたし、もともと地肌は濃い方の上、焼けやすい体質だから、冬でもあまり色が落ちなかったんですがね。

この仕事を始めた頃は、麹や酒粕を触ると肌がすべすべになると聞いたりしていたのだけれど、数週間もすると逆に段々とガサガサになってきました。 原因は水。 といっても水そのものが悪い訳じゃなくて、蒸しあがったばかりの100度近くあるお米やぬるま湯、5度くらいの冷たい水を1日に何度も触るから。 さらには暖かい麹室と寒い蔵を出たり入ったりするから肌も汗かいたり、冷えたり、乾いたり。 特にあかぎれがひどい。 指の先端と第一関節の折れ目にひびが入る。痛い。 珍しくハンドクリームを常用したよ。普段はあんまりこういうものを使わないんだけれどね。 今、蔵の中では「大吟醸」や「純米吟醸」「純米酒」など冨田酒造一押しのラインナップが静かに、沸々と醸されております。 この酒仕込みが始まった頃にも書いたけど、「発酵」という現象は不思議で神秘的だ。タンクの中で、見えないものが力強く躍動してる感じがイイ。 しかもその菌たちのゴキゲンを取るのはホントに難しい。奥が深い。 同じ作業をしていても、温度が上がったり下がったりする。原因が一つに特定できないから、なんとも仕様がない。まったくもってやんちゃな小僧だ。 あと一週間でこの子たちとお別れかと思うと、ちと寂しいと思う今日この頃です。

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