酒蔵日記(1)
皆様、ご無沙汰しております。
前回の日記からだいぶ間があいてしまいました。
毎日休み無く酒蔵で働いております。
酒蔵の仕事は、朝5時半から。朝ご飯・昼ご飯・昼寝、の休憩を挟んで夕方六時頃まで働いています。
あまり自由な時間はありませんが、充実してます。
寝不足ですが、元気です。
この時間(夜10時半)は、もう真夜中です。4時半起床にそなえて早く寝なくちゃ。
ところで、お酒の作り方ってご存じですか?
・・・簡単です。
蒸したお米を水と混ぜ、麹(こうじ)と酵母(こうぼ)を混ぜ込んでタンクの中でひと月弱寝かせると、いつの間にやらお酒になってます。
ぼくたちの仕事は、この微生物たちが、ちゃんと働いてくれることを祈ることのみ。
ってな具合にいくといいなあ。
でも、まあ、基本的には上に書いたような発酵課程を経て、お酒になるわけです。お米のデンプン質が麹菌によって糖となり、それが酵母菌によってアルコールに。
仕事はその菌たちがうまく働いてくれる環境を整えること。
その辺のことには今後の日記に譲るとして、今日は次のことが言いたい!
「冬は冬らしく寒くなりなさい!」
今年はいつまでも暖かいですね。もう12月ですが、昼間はぬくぬくしてます。春のようです。天気予報では明日から少しは寒くなるようですが、平年に比べたらまだまだ暖かい。
(一般的に言えば)暖かい方が菌は活発に働くのですが、おいしいお酒を造るためには、ある程度寒い状態でじっくり活動させる方がいいのです。
だから今年のような天候はあまりよろしく無い。
とうことで皆さん、寒いのは苦手かもしれませんが、どうぞひとつ祈ってやってください。
寒くなりますように、と。
・・・いや、これだとすこし具合が悪い。
「大雪が降らない程度に、寒くなりますように。」
これでお願いします。
前回の日記からだいぶ間があいてしまいました。
毎日休み無く酒蔵で働いております。
酒蔵の仕事は、朝5時半から。朝ご飯・昼ご飯・昼寝、の休憩を挟んで夕方六時頃まで働いています。
あまり自由な時間はありませんが、充実してます。
寝不足ですが、元気です。
この時間(夜10時半)は、もう真夜中です。4時半起床にそなえて早く寝なくちゃ。
ところで、お酒の作り方ってご存じですか?
・・・簡単です。
蒸したお米を水と混ぜ、麹(こうじ)と酵母(こうぼ)を混ぜ込んでタンクの中でひと月弱寝かせると、いつの間にやらお酒になってます。
ぼくたちの仕事は、この微生物たちが、ちゃんと働いてくれることを祈ることのみ。
ってな具合にいくといいなあ。
でも、まあ、基本的には上に書いたような発酵課程を経て、お酒になるわけです。お米のデンプン質が麹菌によって糖となり、それが酵母菌によってアルコールに。
仕事はその菌たちがうまく働いてくれる環境を整えること。
その辺のことには今後の日記に譲るとして、今日は次のことが言いたい!
「冬は冬らしく寒くなりなさい!」
今年はいつまでも暖かいですね。もう12月ですが、昼間はぬくぬくしてます。春のようです。天気予報では明日から少しは寒くなるようですが、平年に比べたらまだまだ暖かい。
(一般的に言えば)暖かい方が菌は活発に働くのですが、おいしいお酒を造るためには、ある程度寒い状態でじっくり活動させる方がいいのです。
だから今年のような天候はあまりよろしく無い。
とうことで皆さん、寒いのは苦手かもしれませんが、どうぞひとつ祈ってやってください。
寒くなりますように、と。
・・・いや、これだとすこし具合が悪い。
「大雪が降らない程度に、寒くなりますように。」
これでお願いします。
稲作大交流会
農に関する諸々の情報が載っている月刊誌に「現代農業」というのがあります。農に興味のある方なら、一度は手にしたことがあるはず。これを出版するのが「農山漁村文化協会」略して「農文協」。
農文協の本は実践的に役立つものが多く、重宝重宝。
この農文協の主催する「稲作大交流会」に行ってきました。場所は信州栂池高原。農文協の研修センターにて行われました。
列島大荒れの9日、北陸道を敦賀インターから糸魚川インターまで走行。日本海からの強風が車を右に左にあおりながらの運転でした。海は白波、山は・・・
研修センターに着いた夜。栂池高原はなんと雪、でした。
今年一番の冷え込みで、栂池の初雪。そんな中での研修会でした。
北は岩手から、南は岡山。全国からたくさんのこだわり稲作農家が集って、主に、有機農業・無農薬栽培についての意見交換。ぼくにとってはどれも新鮮な話で、何を聞いてもうんうん、なるほど、の連続でした。
世間は広いようで狭く、旧知の友人の知人、という方も参加されていてびっくり。こういう場には積極的に参加するべきだなあ、と改めて確認しました。
また、無農薬栽培の奥深さを勉強したと同時に、日本各地の様々な地域性、農業の普遍性と多様性を改めて感じる場ともなりました。自分のいま住んでいる土地にはどのようなやり方が向いているのか、もっともっと探って試して行かねばなりません。
ところで、ここは農文協の施設というだけあって、農文協の本が並ぶ図書室が併設されていました。人と話すのも楽しかったけれども、元来の活字病としては、ここに並ぶ本をめくるのもまた嬉し、愉し。
雑誌「現代農業」の前進である、「農村文化」という昔の雑誌もありました。
表紙に牛耕の絵が使われていたり、なかなかの時代を感じさせます。
さて、研修はさておき、今回は久しぶりの信州。翌日はすかっと爽やかに晴れました。で、早起きして朝からお散歩。
凛と冷えた空気が冷たくて、心地よい。昨冬以来にかじかんだ指先でシャッターを切りました。雪をかぶった白馬の山並。
山登りも楽しそうだなあ。
研修を終えて、帰り道の小さな集落でみた風景。田んぼの脇に植えられた真っ赤なもみじが美しい。
ここは小さな田んぼが縦に並ぶ、山間の静かな集落です。このような一見不便で、住むには大変なところだろうとも、人が田畑を切り開き、そして生活をし続けてきたことで、このような風景を生み出したのはまぎれもない事実。
彼の地に住まう人々が、厳しい暮らしがより楽しくより美しくなるように、その景色に想いを託したのではと思うのはぼくだけでしょうか。
そしてそれはまた、人間のたくましさを感じ、感銘を受ける瞬間でもあります。
研修がとても実のあるものになったのはもちろんですが、久しぶりの小旅行で心身とてもリフレッシュできました。
農文協の本は実践的に役立つものが多く、重宝重宝。
この農文協の主催する「稲作大交流会」に行ってきました。場所は信州栂池高原。農文協の研修センターにて行われました。
列島大荒れの9日、北陸道を敦賀インターから糸魚川インターまで走行。日本海からの強風が車を右に左にあおりながらの運転でした。海は白波、山は・・・
研修センターに着いた夜。栂池高原はなんと雪、でした。
今年一番の冷え込みで、栂池の初雪。そんな中での研修会でした。
北は岩手から、南は岡山。全国からたくさんのこだわり稲作農家が集って、主に、有機農業・無農薬栽培についての意見交換。ぼくにとってはどれも新鮮な話で、何を聞いてもうんうん、なるほど、の連続でした。
世間は広いようで狭く、旧知の友人の知人、という方も参加されていてびっくり。こういう場には積極的に参加するべきだなあ、と改めて確認しました。
また、無農薬栽培の奥深さを勉強したと同時に、日本各地の様々な地域性、農業の普遍性と多様性を改めて感じる場ともなりました。自分のいま住んでいる土地にはどのようなやり方が向いているのか、もっともっと探って試して行かねばなりません。
ところで、ここは農文協の施設というだけあって、農文協の本が並ぶ図書室が併設されていました。人と話すのも楽しかったけれども、元来の活字病としては、ここに並ぶ本をめくるのもまた嬉し、愉し。
雑誌「現代農業」の前進である、「農村文化」という昔の雑誌もありました。
表紙に牛耕の絵が使われていたり、なかなかの時代を感じさせます。
さて、研修はさておき、今回は久しぶりの信州。翌日はすかっと爽やかに晴れました。で、早起きして朝からお散歩。
凛と冷えた空気が冷たくて、心地よい。昨冬以来にかじかんだ指先でシャッターを切りました。雪をかぶった白馬の山並。
山登りも楽しそうだなあ。
研修を終えて、帰り道の小さな集落でみた風景。田んぼの脇に植えられた真っ赤なもみじが美しい。
ここは小さな田んぼが縦に並ぶ、山間の静かな集落です。このような一見不便で、住むには大変なところだろうとも、人が田畑を切り開き、そして生活をし続けてきたことで、このような風景を生み出したのはまぎれもない事実。
彼の地に住まう人々が、厳しい暮らしがより楽しくより美しくなるように、その景色に想いを託したのではと思うのはぼくだけでしょうか。
そしてそれはまた、人間のたくましさを感じ、感銘を受ける瞬間でもあります。
研修がとても実のあるものになったのはもちろんですが、久しぶりの小旅行で心身とてもリフレッシュできました。
今日から蔵人生活
空には満月が綺麗に浮かんでおります。
明るい夜です。
ほのかに山々が照らされていて、賑々しい感じがあります。
こんな日は、心もまた、ざわめいております。
秋晴れが続いていて、少しおしめりが欲しいところ。
これだけ晴れが続いているのも、近年なかなかありません。
反動でまた大雪なのでしょうか。
・・・勘弁願いたいものです。
さて。
少しばかり文体を変えてお送りしております本日の日記。
特に深い意味はありませぬよ。
・・・
本日より、いよいよ蔵人生活が始まりました。
まずは酒蔵の掃除、道具の洗浄から。
具合のよい発酵には、清潔な空間が欠かせないのであります。
本格的な酒造りは10日から始まります。
それまで数日は掃除に明け暮れるのです。
が、7・8日は長野県で開催される稲作交流会に行って来ます。雑誌「現代農業」(←ご存じですか?)が主催する勉強会で、米作りのヒントを拾ってこようと思っています。酒造りも大事なのですが、米作りも大事です。勉強・勉強です。
・・・
ところで、さかのぼること2日。文化の日のこと。
静岡県は磐田市にある「河合肥料」に行って参りました。会員向けのちょっとしたディスカウント市でした。所属する「konefa(湖北地方の若手農業後継者の集まり)」のメンバーに誘われたのです。
ここは有機肥料を生産・販売することで名高い会社。
有機肥料とは、例えば堆肥などが有名ですが、ある有機物を発酵させたり、加熱したりといろいろな処理を経て作られた肥料の総称。有機物と微生物がコラボした生産物です。
この河合肥料の市の会場で、たまたまお客さんの相手をしていらっしゃる従業員の方に声をかけさせていただいて、話をしました。肥料の効き方、使い方、その他微生物の効用、などなどを語ってくださいました。
その中でもきらりと光る印象的な単語がひとつ。「イメージ」という一言。
肥料って、特にいわゆる化成肥料などは、ただたんに土に撒けばスムーズに肥料分として作物に影響を与えることができます。それはとても分かりやすく、例えば窒素肥料は与えて一週間もすると葉が青々してきます。
ところが有機肥料はそんな訳にはいかず、その土質や天候など環境条件に左右される要素が大きいのです。土や肥料に住んでいる微生物の機嫌にも左右されているのかもしれません。だから、原因(肥料を与えること)と結果(作物がどう反応するか)を一直線につなげて考えるわけにはいかないのです。
その従業員の方は、だから、「イメージ」という単語を使っていらっしゃいました。これがぼくにはとても納得のいく表現。
この肥料で作物がこんな風になる、土がこんな風に変わる、こんな微生物が増える。
不確定要素に期待し、イメージする。もしかすると、微生物が想いをくみ取ってくれるかもしれない、という淡い期待もあるのかもしれません。
目から鱗の表現でした。
あとでその従業員の方にお名前をお尋ねしたところ、、、社長さんでした。
とても気さくで好感の持てる方でした。
この方と話してみて、土作りってもしかすると人を作るのかもしれない、なんて夢想してみたりもしましたよ。
・・・
そう。
この冬も微生物づけです。
酒蔵でも彼らはせっせと働いてくれてます。麹菌と酵母菌が主役です。
ぼくらは、彼らをどう助けるか、を考えながら仕事をすればいいわけです。
土作りも酒造りも一緒、のような気がします。おいしいお酒のイメージしながら、の毎日。
今年もそういう冬を、ぼくは過ごします。よろしければ皆さんもそういうイメージをもって、(こちらにお越しの際は)冨田酒造(木之本)に顔を出してくださいませ。
ではでは。
明るい夜です。
ほのかに山々が照らされていて、賑々しい感じがあります。
こんな日は、心もまた、ざわめいております。
秋晴れが続いていて、少しおしめりが欲しいところ。
これだけ晴れが続いているのも、近年なかなかありません。
反動でまた大雪なのでしょうか。
・・・勘弁願いたいものです。
さて。
少しばかり文体を変えてお送りしております本日の日記。
特に深い意味はありませぬよ。
・・・
本日より、いよいよ蔵人生活が始まりました。
まずは酒蔵の掃除、道具の洗浄から。
具合のよい発酵には、清潔な空間が欠かせないのであります。
本格的な酒造りは10日から始まります。
それまで数日は掃除に明け暮れるのです。
が、7・8日は長野県で開催される稲作交流会に行って来ます。雑誌「現代農業」(←ご存じですか?)が主催する勉強会で、米作りのヒントを拾ってこようと思っています。酒造りも大事なのですが、米作りも大事です。勉強・勉強です。
・・・
ところで、さかのぼること2日。文化の日のこと。
静岡県は磐田市にある「河合肥料」に行って参りました。会員向けのちょっとしたディスカウント市でした。所属する「konefa(湖北地方の若手農業後継者の集まり)」のメンバーに誘われたのです。
ここは有機肥料を生産・販売することで名高い会社。
有機肥料とは、例えば堆肥などが有名ですが、ある有機物を発酵させたり、加熱したりといろいろな処理を経て作られた肥料の総称。有機物と微生物がコラボした生産物です。
この河合肥料の市の会場で、たまたまお客さんの相手をしていらっしゃる従業員の方に声をかけさせていただいて、話をしました。肥料の効き方、使い方、その他微生物の効用、などなどを語ってくださいました。
その中でもきらりと光る印象的な単語がひとつ。「イメージ」という一言。
肥料って、特にいわゆる化成肥料などは、ただたんに土に撒けばスムーズに肥料分として作物に影響を与えることができます。それはとても分かりやすく、例えば窒素肥料は与えて一週間もすると葉が青々してきます。
ところが有機肥料はそんな訳にはいかず、その土質や天候など環境条件に左右される要素が大きいのです。土や肥料に住んでいる微生物の機嫌にも左右されているのかもしれません。だから、原因(肥料を与えること)と結果(作物がどう反応するか)を一直線につなげて考えるわけにはいかないのです。
その従業員の方は、だから、「イメージ」という単語を使っていらっしゃいました。これがぼくにはとても納得のいく表現。
この肥料で作物がこんな風になる、土がこんな風に変わる、こんな微生物が増える。
不確定要素に期待し、イメージする。もしかすると、微生物が想いをくみ取ってくれるかもしれない、という淡い期待もあるのかもしれません。
目から鱗の表現でした。
あとでその従業員の方にお名前をお尋ねしたところ、、、社長さんでした。
とても気さくで好感の持てる方でした。
この方と話してみて、土作りってもしかすると人を作るのかもしれない、なんて夢想してみたりもしましたよ。
・・・
そう。
この冬も微生物づけです。
酒蔵でも彼らはせっせと働いてくれてます。麹菌と酵母菌が主役です。
ぼくらは、彼らをどう助けるか、を考えながら仕事をすればいいわけです。
土作りも酒造りも一緒、のような気がします。おいしいお酒のイメージしながら、の毎日。
今年もそういう冬を、ぼくは過ごします。よろしければ皆さんもそういうイメージをもって、(こちらにお越しの際は)冨田酒造(木之本)に顔を出してくださいませ。
ではでは。